『肺結核』 健康メモより
結核とは、結核菌が体に侵入し増殖した結果、一定の病変をおこすことです。

最も一般的な肺臓への侵入は、人が呼吸することにより菌の攻撃を受けていますが、防御力により、常に増殖が押さえられています。

近年の高齢化に伴って防御力が低下し、菌を排除する力が弱くなり、感染の増加が心配されています。
肺結核の診断において約二〇%が一般検診で発見されています。
多くは、結核菌がゆっくり進行することが一般的で、かなりの段階になってから症状が現れ、咳、痰(血液)が七○%以上に見られます。

特に持続的な咳は疑いものです。胸部?線写真は、結核菌の侵入だけでも驚くほど所見に幅があり、その他の疾患と鑑別するのに困難なことから、早期発見のためにも撮影の遅れがないようにすることが望ましいです。

また、培養菌を得ることが次の治療に最も有効なため、検痰が重要です。治療は、再発しないためにも体内の生菌を完全に根絶することです。継続的で中断のない長期の服薬が必要なのはこのためです。

結核は、家族への感染の危険が高い疾患であるため、家族や周囲のかたは六か月から二年の感染発見期間が必要です。

結核の症状が消えても数種類の抗結核薬の服用が必要なのは、結核菌の根絶のためと、耐生菌が現れるのを減少するためです。

抗結核薬の副作用も減感作療法などで解決できるものですが、専門医への相談が必要です。
(1999.12)


茨木市医師会 馬渕 洋一