『インフルエンザの治療と予防』 健康メモより
四月に入り、インフルエンザは治まってきていますが、そのインフルエンザについての最近のトピックスはなんと言ってもA型、B型にも有効な抗インフルエンザ薬が発売されたことです。
昨年まではシンメトレルという薬のみでA型にしか効かず無効例もありましたが、今年二月二日にリレンザ、タミフルというインフルエンザウイルスの増殖を抑える新薬が使えるようになり、発熱期間を短縮できるようになりました。

そもそもインフルエンザは、急な発熱で発症し、通常、咽頭痛、高熱の後ひどい咳が続き、胸痛を訴えるかたもいます。
一般の風邪と異なる点は、主に高熱と全身倦怠感、関節痛等、全身症状が強い点です。
また肺炎、脳炎、心筋炎という合併症を起こしうる恐ろしい病気です。

いくら良い薬が出たといっても、インフルエンザにかからないようにするには、予防が第一です。
毎年一回(小児では二回)インフルエンザワクチンの予防接種をお勧めします。健康成人では年に一回の注射で有効率八〇%です。

予防接種を受けることで、鼻かぜ程度はひきますが、高熱がでることは少なく、重症化を阻止します。
ところが小児ではインフルエンザウイルスにさらされた機会が少なく、現在使用されている不活化ワクチン接種では十分な抗体の量の上昇がみられないため、有効率は五〇~六〇%と低いようです。
最近、欧米で鼻から噴霧する経鼻生ワクチンの製造許可申請が出されました。

乳幼児に対しても有効率が高いそうです。
日本でも有効率の高い、安全で、痛くないワクチンの開発が待たれます。
(20001.4)


茨木市医師会 中尾 誠