『鼻出血と急性外耳炎』 健康メモより
夏になると多くなる耳鼻科の病気の代表は、鼻出血と急性外耳炎です。

鼻出血は、気温が二十五度を超す六月ごろから主に子どもに多く起こります。原因は気温の上昇によるのぼせた状態が引き金になっています。
この状態に加え、鼻炎や風邪などで、鼻をかんだり指で鼻の中をさわると、血が出てきます。鼻出血の多くは鼻中隔という鼻腔を左右に分けている壁があり、その壁の鼻入口から約一~二センチ入った場所から出血します。

止血の方法は、ティッシュペーパーなど柔らかい紙を丸めて鼻につめ、外側から約十分、圧迫してください。
興奮している子どもは落ち着かせ、イスに座らせ下を向かせてください。またこの時、上を向かせてクビの後ろを叩くことはやめてください。
なかなか止まらない場合やよく出血する場合は、耳鼻科へご相談ください。

急性外耳炎は、プールが始まる七月ころから多くなります。
この病気も子どもに多く、水泳の後、外耳道を濡れたままにしておくと耳のかゆみが起こり、そのうえ、指や耳かきなどで耳をかくと外耳道の皮膚が傷つけられ、水分で柔らかくなった皮膚内へ細菌を導くことになります。

炎症を起こす場所は、外耳道の入口に近い軟骨部と奥の骨部の二か所あります。軟骨部の耳毛、皮脂腺、汗腺などの部分に細菌感染が起こり、いわゆる耳のおできの状態になります。

骨部外耳道は、皮下組織が薄く、感染が起こると広範囲な皮膚炎になりますので、水泳の後は、耳の中もきれいに拭いてください。

耳垢は少しなら影響はありませんが、外耳道を充満するような場合は、水泳の後、水分を含んで聞こえにくくなったりしますので除去してください。

外耳炎は強い痛みがありますので我慢をせず早めに耳鼻科へご相談ください。
(2000.8)


茨木市医師会 大森 研士