『冬の皮膚病』 健康メモより
冬は「手荒れ」のシーズン。

進行性指掌角皮症は、水仕事の多い主婦や、紙幣、包装紙などを頻繁に扱う職業のかたに多くみられます。
利き手の親指、人差し指、中指の指先からはじまり、皮膚が乾燥してカサカサになり、ひび割れたり、ツルツルになって指紋がなくなります。

こんなときには、早く皮膚科で受診し、保湿剤など適切な処方をしてもらいましょう。

冬には、しもやけも見逃せません。幼児から児童は、手足に汗をかいたまま冷えると、「たる柿」型凍瘡になります。
年長者では、円形の赤い斑点が目立つ多形紅斑型凍瘡が多く、治療はビタミンEのぬり薬とのみ薬と保湿です。
この時期、やけども多くなりますが、あんかによる低温やけどには気をつけましょう。

普通では、やけどしない低温でも、長時間接すると深いかいようを作ります。
このほか、高齢者に多い皮脂欠乏性湿疹やアトピー性皮膚炎も、皮膚の乾燥がかゆみを増し、ひどくなる時期です。
基本的な治療とともに、スキンケアにも気を配りましょう。

石けん、シャンプーなどの洗浄料も、洗浄力の強いもの、香料、着色料、殺菌剤の含まれているものは避けましょう。
(2001.2)


茨木市医師会 夜久 正治